●日本で初めて、「オークションによるM&A」 1987年5月15日 日本経済新聞と日経産業新聞記事あり  当時の経済環境では、M&Aは、まだ日本的経済に適合しないと考えられていた。 しかし、その一方で、ビジネスが成立するかどうかは、許認可を含む権利取得企業で あるかどうかと言う利権的部分に左右される事が多かったのである。 そこで、その意味ではメリットのある薬事輸入ライセンスを持つ企業そのものが 休眠状態であったので、この企業なら購入したい企業がいると判断した。 また、この企業が輸入権利を取得していたヤギの細胞を使用した「妊娠検査薬」 を同時に権利として付けたのである。 権利を欲する企業は多いと見たので、それでは、いっそのこと「オークション」で 良い金額を良い条件のもとで売却できる様にしたいと考えて実行した。 大手企業を含む100社以上が打診してきたが、M&A自身が珍しいのに、 その上「オークション」と言う事で、尻込みをする企業も多かった。 特に情報を隠密裏に処理したいと言う意向が強かった。 NHKなどマスコミのオークション現場取材の申し込みも殺到した為、現実には非公開オークションとして 申し込みを受け、有力数社と相手方企業と私との打ち合わせにより、売却は決定した。 企業の存在感が重要であり、また寄らば大樹の考えが横行していた時代でもあり ベンチャーの立場の私に、その後のM&A依頼は、打診のみであり大きな成果は上がらなかった。 新聞にあるM&Aを紹介する企業名には、その後活躍の数社が記載されている。 *現代の立場で 大小を問わず、本当の意味のM&Aが必要な時期であろうと思う。 単に株式の売買ではなく、企業の持つ本当の財産と、その財産を生かせる企業が 結ばれるとすれば、M&Aは、決してネガティブな結末ではない筈だ。 また、異業種が新しい企画に、古い業種のノウハウを活用することも可能だろう。 頭脳的M&Aの具現化がビジネスとなるのです。          中田記